最近はサプライチェーンをニアショアで構築する企業が増えつつあると聞きます。
コロナ禍に始り、ウクライナの有事を含め物資が滞る事態が大きな問題になっていることから、今後も増えていくだろうと推測しメモします。
ニアショアとは何?
すいません….
本音とのところ、このワード知らなかったです。
ニアショアとは、開発業務を部分的もしくは全部を、比較的近い距離の場所にある企業に外注することをいうそうです。
一方、比較的遠距離の企業に外注棄つことをオフショアと言います。
ニアショアとオフショアの違い
一言で言うとニアシェアは国内の地方都市に生産拠点を置きます。オフショアは海外に生産拠点を置きます。
ニアショアは、国内に生産拠点を置くため言葉の壁がなく、現状のような有事でもサプライチェーンの停滞を抑え、比較的安定的に製品供給が保てます。
オフショアは国内にリソースが確保できない、または人件費抑制などの場合に海外発注します。10年以上前からは東南アジアのITスキルも高くなり、物理的な製品の製造だけでなくプログラムを発注するなど、多岐に及んでいます。
ニアショアのメリット
有事に強い
先述しましたが、有事に強いところは大きいですね。
今世の中は、経験したことのない物不足です。
半導体、石油、小麦などなど枚挙にいとまがありません。その影響で物価も上がっています。これは、オフショアにより世界に点在するサプライチェーンの停滞もしくは停止が大きな要因です。ニアショアであれば、国内拠点なのでサプライチェーンの停滞停止が抑制できる効果がありますね。
言語の壁がない
国内なので当然ですが、これは大きなメリットです。
一つはクオリティチェックがしやすく、高いレベルで品質管理が可能と言うこと。もう一つはスピーディーな対応がしやすいと言うことです。
正確な情報共有は大事です。
地方での雇用が進む
国内での生産が進めば、必然的に雇用促進になります。
特に、エンジニア不足の昨今、地方のエンジニア育成に大きく寄与ます。
拡がりつつあるニアショア
世界的なサプライチェーン危機が続くなか、欧米の大手ブランドや小売企業が、生産地を本拠地の近くに移転させようと言う動きが拡がっています。
ザラ(ZARA)の親会社であるファストファッション大手のインディテックスは既に商品の53%を欧州で生産しています。伊ブランドのベネトンもイタリアに比較的近い国々での生産を増やしています。
2022年末以降はアジアでの生産量を半減させたいと考えています。
米国の玩具大手マテルがメキシコ北東部ヌエボ・レオン州の州都モンテレイにある工場の大規模拡張に着手したそうです。そのためアジアの工場2カ所閉鎖、カナダとメキシコの別工場の2カ所も閉鎖したそうです。
このようにコロナ禍を機に、ニアショアは世界中に拡がりを見せています。
日本では地方活性化に大きく寄与
ニアショア機構という組織があり、ニアショア開発を促進させる活動をしているようです。
最近では、地方開発拠点を開設される企業が増えており、各都道府県で、様々な優遇措置等も用意されています。
例えば長崎県南島原市。長崎県にはIT関連企業が少なく、UIターン者、人材育成など、エンジニアの掘り起こしが可能で、離職率も低いという特徴があるようです。
和歌山県は関西国際空港から車で約30分、大阪中心部からも車で約1時間と首都圏や京阪神からのアクセスが便利で、都市圏と比べて安価な賃金、優秀な人材確保を支援します。
このように、ニアショアは地方の企業誘致や雇用促進に大きく役立っています。
ニアショアに転換できるのか
日本がニアショアに移行できるかどうかは、限られた土地・高い人件費・スキルの高い人材不足(特にエンジニア)などリソースが確保しにくい現状もあり、難しい局面も多々あると個人的には思います。
しかし、社会は大きく変わり、その波は止まりません。
今この潮流に動かなければ、世界が構築しようとしているサプライチェーンからは大きく溝をあけらあれ、供給の停滞や物価高が続き、極端な話貧困国となってしまうのかもしれません。
政府や大企業は、既得権益に縛られす、スクラップアンドビルドで日本の未来をより良くするために行動してほしいです。