大文字か小文字かでしょ?と言われればそうなんですが、実はそれぞれに明確な違いがあります。
それは時代の流れと密接した関係があります。
今回は、その違いをメモします。
デザイナーの多様化
「デザイン」と聞くと何を想像しますか?
少し前までは、グラフィックやWEBデザイナーなどを想像していましたが、昨今以下のようにデザイナーと言われる職業は多岐にわたります。
- グラフィックデザイナー
- Webデザイナー
- UIデザイナー
- UXデザイナー
- ヴィジュアルデザイナー
- コミュニケーションデザイナー
- ロゴデザイナー
- プロダクションデザイナー
- パッケージデザイナー
- ファッションデザイナー
- モーショングラフィックデザイナー
- インテリアデザイナー
経営にもデザインが必要
近年では、経営にもデザインが求められ、それをデザイン思考やサービスデザインと言ったりします。
SDGsの世界的波及やコロナ禍によりそれは加速し、ユーザーファースト思考、環境に配慮して生産システムの構築、ウェルビーイングによる従業員の幸福感・充実感をいかに継続させるかなどデザイン思考が欠かせない時代になりました。
design, Design, DESIGNでデザインをカテゴライズする
ここまで多様化するデザインを区別するためにどうするかということで「design, Design, DESIGN」があります。
design=見た目
デザインと聞いて想像することが多いのが、このカテゴリでしょう。昔からあるデザインのい概念ですね。
代表的な種類としては以下があります。
- グラフィックデザイン
- 工業デザイン
- 広告
特徴としては
- ターゲットは限定される
- 目的は完成させること
- 職人的
です。ここで制作されるものは予めターゲットをセグメントしているケースが多く、子供向けお菓子のパッケージデザインや購買層を想定した自動車デザイン等特定のユーザー向けに制作、設計されます。広告については、言わずもがな緻密なマーケティングに基づいきターゲットを限定します。
見た目を重視なので、レイアウト、フォントや色調はもちろん1mm単位の違いを明確に判断できる職人的思考が必要です。
Design=デジタルデザイン
デジタルデザインで使用されるのが「Design」です。ネットやモバイル等のデジタルメディアが対象で、自分自身が職業としているカテゴリですね。代表的な種類としては以下があります。
- Webデザイン
- UIデザイン
- デジタルコンテンツ
特徴としては
- 不特定多数のターゲット
- PDCAが欠かせない
- テクニカルアップデートが欠かせない
です。ネットにアクセスできる環境であれば誰でも閲覧可能なので、そう言った意味では不特定多数と言えます。事実ここまで多様化するとセグメントしにくい現状もあります。
とはいえ、ある程度ターゲットは絞って構築する必要はあります。それがPDCAに繋がります。デジタルコンテンツは生き物です。常にアップデートしていかなければ劣化しますし、ユーザーも離れます。そのため中長期的な運用が必要です。また、テクニックの進化は日進月歩です。html、cssやjyavascript、PHPなど、デバイスの多様化やセキュリティ面でのアップデートが欠かせません。
では、職人的ではないかというと、デジタルコンテンツの職人です。デバイスやブラウザサイズなどにおいてどのようなUIになるのかを1px単位で判断する必要があります。
ただ、印刷すれば後が無い「design」と比較するとフレキシブルな「Design」は、少し思考が違うかもしれませんね。
DESIGN=経営デザイン
近年よく言われてる、比較的新しいカテゴリです。可視化できるものづくりというよりは、概念的な使われ方をします。主に経営の問題解決のためのプロセスを指します。具体的な事象を指すわけではなく非常に広義な考え方になりますね。最近注目されるパーパス(企業の存在意義)を考えることも、その一つではないでしょうか?
代表的な種類としては以下があります。
- サービスデザイン
- UXデザイン
- デザイン思考
特徴としては
- 変化するユーザーニーズに対応する
- 客観的なユーザーデータの解析
- 経営とデザインの融合
です。SDGsやコロナ禍においてライフスタイルは大きく変化しました。そう言った劇的な変化においてもユーザーニーズを的確に柔軟に対応できるフレキシブルな思考と実行できるフォーメーションが必要です。
その上で重要なのがユーザーデータの解析です。そこで導き出すのはカスタマージャーニーです。ユーザーはどう言ったマインドになった時にどのシーンで商品を利用したいと思うのか。つまりその商品でどうのような欲求を満たそうとしているのかを知ることです。今は作れば売れる時代ではありません。もっと言えばZ世代を中心に買う行為そのものに消極的だったりします。さらにはにニーズの多様化もあり以前に比べれば解析が困難な時代でもあります。しかしユーザー視点で思考することにより、企業が考えた本来の用途とは違った使われ方でバズる商品も少なくありません。
加えて、近年話題のウェルビーイング経営も忘れてはいけません。
経営課題をクリアするためには、従業員の力は必ず必要です。そのため企業は従業員が仕事に対しての充実度を高めるための環境づくりを「心」「体」「社会」の3つのファクターをもとに実現する必要があります。
design, Design, DESIGN。通底するテーマは同じ
カテゴライズするために分けてはいるものの、根底にあるテーマは同じではないでしょうか?
- ユーザーマインドを的確にとらえる
- 柔軟で自由な発想を心がける
- メッセージはわかりやすく
- 使いやすくする
- ディティールにこだわる
- アップデートを欠かさない
- 客観的な視点で商品(制作物)を検証する
- 商品(制作物)を複数の視点でチェックする
- 本当にユーザーの利益になるか突き詰める
など、クリエイティブマインドは同じだと思います。
メモした以上自分自身も忘れずに取り組みたいと思います。